[AfterEffects] 噓パースとスライダー制御
この記事は
・Element3Dを使って作成したオブジェクトにパースをつけたうえで、きれいに回転させる方法
について書いております。
まず噓パースとは、実際には物体が持っていないパース効果を、視覚的に作り出す技法です。これを使うことで、視覚的に奥行きや歪みを表現できるので、3D空間における物体を直感的に操作できます。Element 3Dでは、特に「パースを意図的に歪ませる」ことで、手軽に複雑な動きを演出することが可能です。
噓パースを使ってオブジェクトにより立体感を持たせることが可能ですが、これを通常回転ツールで回転した場合、歪みも一緒に回転してしまい、不自然な動きとなります。
このオブジェクトはどちらもElement3Dを使って作成されており、Bend機能により、画面下を手前に、画面上を奥に見えるように歪ませています。
これをそのまま回転させた場合、右側の歯車のように回転してしまいます。
歪んだことによる厚みが、不自然に移動しているのがわかるかと思います。
そこで、左側の歯車のように、歪み自体は一定の状態で回転するようにしました。
やり方としては
変更する場所は、Deform>Bendです。
BendAxisをZにして、Bend Angleを調整します。
Bend Directionを調整したのち、このBend Directionにエクスプレッションを付けます。
Bend Directionには
-89
-effect("Element")("1. Z Rotation")
と入力します。
-89は調整した角度なので、オブジェクトごとに変わります。
そして「-」を指定することで、歯車なら、逆の動きをしてくれます。
comp("gear").layer("調整レイヤー 1") .effect("Main Control 2-1")("スライダー")
Z Rotationで回転することができたら、今度はスライダー制御を使って、たくさんある歯車を一度に管理したいと思います。
エクスプレッションで、コンポジション「gear」を指定して、その中にある調整レイヤー、スライダー制御を選びます。(スライダー制御は、(MainControl)に変えました。)
あとは歯車の数だけ、スライダー制御を増やして、すべてにエクスプレッションをつければ、スライダー制御の画面だけで、回転を制御できます。
あとはライトを設置したり、トーンカーブで色合いを調整しました。